香は、中庭の向こうに立つ警備兵を気にしながら、そっと窓の布を押し広げた。
声を圧し殺してシオンを呼ぶ。
「シオン」
瞬間、弾かれたようにシオンが顔をあげ、声のした方を見つめた。
じっと凝視すると、窓幕の隙間から僅かに香の顔が見えた。
……香っ!!!
シオンは思わず大きく名を呼びそうになり、慌てて思い止まる。
それから慌てて寝台を降りると、片足を浮かせてピョンピョンと飛びながら窓に近寄った。
「香、無事だったんだね!良かった!」
「シオン、ファルがすごく心配してる。逃げるわよ!早くここから飛び降りて!」
「ファルを知ってるの?」
「詳しい話は後よ。早く!」
「駄目なの。ここへ連れてこられる前、森でアイーダに首を噛まれたの。
おまけに、白金族人間の王……シリウスに足の甲を刺されて歩けないし、走れない」
声を圧し殺してシオンを呼ぶ。
「シオン」
瞬間、弾かれたようにシオンが顔をあげ、声のした方を見つめた。
じっと凝視すると、窓幕の隙間から僅かに香の顔が見えた。
……香っ!!!
シオンは思わず大きく名を呼びそうになり、慌てて思い止まる。
それから慌てて寝台を降りると、片足を浮かせてピョンピョンと飛びながら窓に近寄った。
「香、無事だったんだね!良かった!」
「シオン、ファルがすごく心配してる。逃げるわよ!早くここから飛び降りて!」
「ファルを知ってるの?」
「詳しい話は後よ。早く!」
「駄目なの。ここへ連れてこられる前、森でアイーダに首を噛まれたの。
おまけに、白金族人間の王……シリウスに足の甲を刺されて歩けないし、走れない」


