シオンズアイズ

「シリウス様の御命令なんだ。許してよ」

シオンは大きく口を開けてハッキリと言った。

「嫌!」

なんだ、この感じ。

カイルは、フワリと体が浮くような、こそばいような、今までにない感覚にとらわれて眼を見張った。

俺は、どうしたんだ。

嫌と言ったシオンを抱き締めたい。

抱き締めて口付けをして、機嫌を直したい。

そうしたら、シオンはどうするだろう。

俺に答えてくれるだろうか。

今までに俺を激しく拒絶した女などいない。

俺が少し押しさえすれば、女は恥じらう素振りを見せながら、言いなりになってきた。