シオンズアイズ

カイルは答えず、手早くキトンをシオンにかぶせた。

諦めたシオンを見て、カイルはホッと息をついた。

しばらく時間をかけてキトンを綺麗に着せると、カイルはシオンをじっと見つめた。

とても良く似合う。

なんて可愛いんだ。

しかし、そんな自分とはまるで真逆の表情で、シオンはカイルを睨み付けていた。

「優しく脱がせてもらいたいなら、もっと懐けよ」

「私は猫じゃない!」

カイルは、ツンと横を向いたシオンを暫く見ていたが、そっと手を伸ばしてその頬に触れた。

「ごめんってば」

柔らかくて優しいカイルの声がして、シオンはチラリとカイルを見た。