シオンズアイズ

カイルはクッと唇を引き結ぶと、ベッドの上で両手をバタバタさせて抵抗するシオンを睨んだ。

部屋のランプの数を倍に増やした為、全体が明るく、よく分かる。

カイルは素早く近寄り、シオンの両手を掴むと、至近距離からその瞳を覗き込んだ。

……まただ……!

シオンの瞳が、七色に輝き出したのだ。

瞳全体が、青や緑というように、一つの色に変化したり、一度に多色化したりと、目まぐるしく変わる。

なんて、綺麗なんだ。

その時である。

ガンッと鼻に衝撃が走り、カイルは思わず仰け反った。

シオンの頭突きが、命中したのだ。

クッ!油断した!

「もう、許さない」