シオンズアイズ

通された部屋は、跳ね橋のすぐ隣の小さな建物であった。

「しばらく待て」

長い槍を持った近衛兵と二人きりで待ったが、近衛兵が口を開くことはなかった。

どれくらい待っただろうか。

突然馬の駆けてくる音が聞こえたかと思うと、ガシャリと重々しい音が響き、入り口の扉が勢い良く開いた。

「シオンの行方を知っているのは、お前か?!」

アイーダは、信じられない思いでその人物に見入った。

王子、ファル……!!

ああ、何年も恋焦がれていたファルに、ようやく、会えた。

輝くような黄金の髪、黄金の瞳。

恵まれた体型に、男らしく艶やかな声。