「新村楓子さんにはカンナが小学生の時に仲良くしていただいていて。命の恩人でもあるんです」 「ほうほう、そうでしたか」 「えぇ。以前、禁止していた自転車に乗ってドブに落ちたカンナを新村さんが助けてくれたんですよ」 「それはそれは。新村さんがいればカンナさんもすぐに学校生活にも馴染めますよ」 「そうですね。よろしくお願いします」 抱き合うあたしとカンナをよそに校長とカンナの父親が言葉を交わしている。