恋する白虎

ぎ、ぎくっ!

「誰も来てないよ」

「そっか」

それにしても。

永舜は慶吾を凝視した。

背が高く、がっしりとした体格でなかなか精悍な顔つきの男だが、こんな小僧……。

その時慶吾が食器を片付けながら、杏樹に言った。

「杏樹、あのさ」

「んー?」

杏樹は皿を洗いながら、慶吾を見ずに返事を返した。

「杏樹」

「きゃあ」

突然、慶吾がフワリと囲うように両腕を杏樹に回した。