恋する白虎

「で、カレーの匂いを嗅ぎ付けて来たんだな」

「そ。杏樹の家からカレーのイイ匂いがしてきたから、取り敢えずシャワーして、食べに来た」

「いっぱいあるよ」

「いっぱい、食う」

誰だ。

永舜は廊下の壁に寄りかかって腕を組み、唇を引き結んで二人の会話を聞きながら、その姿をじっと見つめる。

慶吾は永舜の姿が見えていないが、見えている杏樹は、チラッとこちらを見て通りすぎた。

この妙に馴れ馴れしい男は、一体誰なんだ。

杏樹を好きなのが、丸分かりだ。

永舜はふたりについて行き、再びキッチンへと足を踏み入れた。

ドアにもたれたまま、永舜は楽しそうな二人を見つめる。