恋する白虎

「杏樹、朝だぞ」

翌日、永舜は杏樹の部屋をノックした。

先日杏樹の着替え中に部屋に入り、

「ノックは常識!」

とキレられてから、しっかりと守っている。

しばらくするとガチャリとドアが開き、制服姿の杏樹が姿を現した。

手にはヒラヒラとした紙を持っていて、チラリと永舜を見たかと思うと、無言でその紙をドアの真ん中に貼り付けた。

ん?なんだ、これは。

「ネットで見付けてプリントアウトしたの。
お札よ、お、ふ、だ!魔除けのお札!
どんな妖怪にも効くんだって」

杏樹は永舜を一瞥すると、

「時間ないから行くわ。
ご飯は適当に食べて」

そう言うと、風のように出ていってしまった。