恋する白虎

白虎の姿が見えない人は、ブツブツ独りで話す杏樹を不思議そうに見た。

う、やばい。

杏樹は無言で永舜の腕を握ると歩き出した。

「どこへ行く?」

「取り敢えず私の家。黙って歩いて」

「……」

家に着くと杏樹はバスルームに永舜を押し込み、上がってきた彼に言った。

「その服を着て。パパのやつだけど。あ、ちゃんとタオルで髪を拭くのよ、風邪引くから」

「……」

タオルで頭を拭きながらバスルームから出てきた永舜を見て、杏樹は言った。

「…上の服が、後ろ前になってるけど」