恋する白虎

神社に近づくにつれて、杏樹は眉を寄せた。

…なんか焦げ臭い…。

嘘、火事?!

神社が…。

鳥居をくぐってすぐのところに、立ち入り禁止のテープが張り巡らされている。

覗き込むと全焼ではないものの境内は焼け焦げていて、杏樹は息を飲んだ。

野次馬の話を総合すると、午前中にボヤ騒ぎが起こったらしい。

そう言えば今朝、騒がしかったような。

白虎は…永舜は?

「永舜」

杏樹は小さな声で呼んでみた。

「永舜」