恋する白虎

体をねじって部屋の入り口を見上げると、僅かに眼を細めてニヤリと笑う永蒼が見えた。

くそ、兄上め。

「それとも……やるじゃねーか、杏樹。昼間の話を実践して……」

「え、永蒼さんっ……!!」

昼間の話を実践?なんだ、それは。

「何の用だ、兄上」

「杏樹に飯を食うようにいいに来たんだよ。お前はともかく、杏樹を見てみろ。お前の看病に明け暮れて痩せほそってんだろーが。
ついでに眼が覚めたなら、お前もなんか食え。
ただし、杏樹以外をだ」

確かに、そうだが……。

永舜はなにも言い返せずにクシャクシャと頭をかいた。

それから二人とも起き上がり、互いにやつれた顔を見つめ合った。

「ぷっ」

「あははははは」

二人は声をあげて笑った。

幸せで幸せで、たまらなかった。