恋する白虎

「やだ、恥ずかしい」

「ふたりだけだろ、恥ずかしがるな」

「だって……」

「杏樹」

心臓の音がうるさくて、杏樹は困った。

でも、永舜は離してくれそうにない。

杏樹は、大きく息をすると、思い切って口を開いた。

「永舜」

「ん?」

その時である。

「おいおい、お前、看病に来た女を布団の中に引きずり込むとは、虎じゃなくて狼だったのかよ、参ったな、こりゃ」

呆れたような永蒼の声が響き、二人はピタリと動きを止めた。