恋する白虎

「どうしてそんなに蘭寿草が要るんです?」

「それを今から話しにきたところだ。永舜はどこだ?」

「永舜さまなら、大聖白虎さまのところに…」

「俺なら今戻ったが、なんだ」

リンが言い終わらないうちに永舜の声がし、杏樹は部屋の入口を見た。

男らしい眉の下の、涼やかな瞳にドキンとし、杏樹は息を飲んだ。

実はこのところ、断片的に色んな場面を思い出していたが、それをどう説明していいのか分からず、杏樹は言わずにいた。

だが、永舜の眼差しに何度も胸がざわつき、堪らずに目をそらしてしまう。

やだ、私、凄く不自然よね。

一方永舜は、自分と眼が合うとスッと視線を外す杏樹を、切なく思っていた。