恋する白虎

永舜は、杏樹を寝台に横たえ、その顔を覗き込んだ。

途端に杏樹が眼を開けて、大きな茶色の瞳で永舜を見つめる。

「杏樹」

「あの、永舜さま、わたくしはこれで失礼しますね」

リンは控えめな口調とは裏腹に、永舜の背中を拳でゴンッと突き、キラリと光る目で見つめた。

『しっかりしてくださいませ!』と眼で語り、部屋を出ていくリンに、永舜は礼を言うと、杏樹に向き直った。

「気分はどうだ?」

「もう、大丈夫です」

距離を感じる口調に寂しさを覚えながら、永舜は息をついた。