恋する白虎

「それは」

杏樹は口ごもった。

やだ、分かんない……。

ここが西天なのは、分かっている。

自分で望んで来たのも事実だ。

でも、どうやって?

誰と来たの?

記憶の中である部分だけが、かき消したかのように真っ白で、まるで思い出せない。

「エイソウさん、私、どうしちゃったの?」

永蒼は、不安に揺れる杏樹の大きな瞳を見つめ、頬を寄せた。

「大丈夫だ、俺がいるから……」

熱っぽく囁いて、頬に口づけると、杏樹は驚いて永蒼を見つめた。