恋する白虎

お……降ろして欲しいんですけど……。

永蒼に勢いよく抱きかかえられた杏樹は、心臓がバクバクと音をたてて、苦しかった。

「あの、エイソウさん」

永蒼は、流すような眼差しで杏樹を捉えると、白い歯を見せて笑った。

「呼び捨てで、構わない」

「で、でも……それに、あの、降ろしてください。ひとりで歩けますから」

「それじゃ、俺が面白くない」

な、なんなの、どういう意味?

永蒼は、歩をゆるめながら杏樹に聞いた。

「お前、ここが何処だか、分かるか?」

杏樹は、答えた。

「西天でしょ?」

「じゃ、何でここに来た?誰と来た?」