恋する白虎

俺は……お前を帰したくない。

帰したく、ねぇんだよ。

「なあ、杏樹」

窮奇は思いきって言った。

「俺と、ここで暮らさないか?お前がいてくれたら、きっと楽しいと思うんだ」

杏樹は驚いて小さく口を開けた。

「え……そんなこと、出来ないよ……。だって、私には私の世界があるもの。私、窮奇の体が治ったなら、もう帰るよ」

「ダメだ」

「どうして?」

「俺は、お前を帰したくない。離れたくねーんだよ。ここで一緒に暮らそう」

杏樹はゆっくりと起き上がり、窮奇を見つめて言った。

「窮奇、ごめんね。でも、窮奇とは暮らせないの」