恋する白虎

お前は、俺が好きなんじゃないのか。

俺が、こんなに好きなのに……。

永舜は、ジリジリと焦げるような胸の痛みと、痺れるような感覚に驚いた。

なんなんだ、さっきから。

「永舜てば」

杏樹は、永舜の胸に両手を当ててグイッと腕を伸ばした。

潤んだ茶色の瞳が真っ直ぐに自分を見ている。

そんな眼で、見るな。

まるで俺が……お前を汚してるみたいだ。

永舜は、横を向いて杏樹から眼をそむけた。

だめだ、俺はどうかしてる。

小さく息をつくと、

「ちょっと出てくる」

白銀の虎に変わると、永舜は姿を消した。