「さっきの聞いてたのかよ?」


「ごめん。盗み聞きするつもりなかったんだけど。出て行くタイミングなくて。。」


。。。
最悪だ。

聞かれたくなかった。
しかもよりによって、1番聞かれたくない相手、
飯田さんに。。。

はぁー。

「あはっ
また、びっくりさせちゃったねー。
ごめんごめん。
そんな怖い顔しなくても。


ん?なんか違う?

あっ後悔してるって顔かな?今ならまだ間に合うんじゃない?謝りに行ったら?」


後悔?そんなんしてない。

確かに木村さんに、ひどいことを言ったかもしれない。

でもどんなに優しい言葉をかけたからって、結局結論は一緒だ。別に嫌われたってかまわねぇし。

「俺の何を知って好きと言ってる?

だっけ?

もー。滝口くんはすーぐ理由を知りたがるんだねー。

でもさ、

なんで答えたら納得できた?」


分からない。ただ俺は。。。

「滝口くんの気持ちすっごくわかるけどね。

なーんにも、自分のこと知らないくせにぃってさ。

でもさ、滝口くんのことを好きになった彼女のこと、

滝口くんは知ってる?」


その時ようやく気がついた。
自分のしたことに。
今の自分を
彼女にら見られたくなかった理由も。

俺は木村さんにひどいことをした。

人の気持ちを否定していいわけない。

最低だ。男として。。

いや人として。