勝手に百人一首

あっけらかんとした言葉に、レイモンドは拍子抜けする。






「………ばれなければ、って」





「だから、このまま誰にも見つからなければ大丈夫ってこと」






狼狽するレイモンドに、エレティナは軽く片目を瞑ってみせた。






「あなたは、もしかしたら、このまま私が神殿入りをすると思っていたのかもしれないけど。


こうなった以上、神を誤魔化すことなどできないのだから、私は巫女になんてなるつもりは毛頭ないわ。



………あなたと一緒に、逃げるの」






予想もしなかった言葉に、レイモンドはぽかんと口を半開きにした。





いつも落ち着いて表情を崩さないレイモンドの、珍しく間の抜けた顔に、エレティナはくすくすと笑う。