勝手に百人一首

お昼を終えて、5時間目の用意をしようと、あたしは廊下のロッカーに教科書を取りに行った。




教室に戻ろうとしたとき、中から出ようとしてきた学ランにぶつかりそうになって、あたしは足を止めた。






「あ、ごめん」






そう言ってあたしを見下ろしているのは、今井くん。




不意打ちに驚いて、あたしはぱっと顔を背け、道を開けた。






「ありがと」






今井くんがそう言ったけど、あたしは顔を上げられなかった。





みんながあたしたちを見てる気がする………






あたしは何事もなかったような顔で、教室の中に入った。





俯いたまま。




誰かと目が合ったりしたら、何を言われるか分からないもん。