勝手に百人一首








次の授業は世界史で、中世ヨーロッパの文化の話だったから、また「神」が出てきた。




そのときも男子たちはちらちらと目配せをして、意味ありげな視線を今井くんとあたしに送ってきたけど。



先生が厳しい先生だったから、私語になるようなことはなくて、ひと安心した。





その次は現代文で、「人間は全知全能の神に憧れて……」みたいな文脈で、またまた「神」の登場。



日常生活に、意外と「神」という言葉が溢れているのだと、あたしは今日はじめて知った。






昼休みになって、あたしは仲良しの美香ちゃん、沙織ちゃんとお弁当を食べる。




もちろん、話題は今井くんのことになった。