勝手に百人一首

《………楓、なに言ってんの?


そんな口きくとか、お前、どうかしちゃったんじゃないの?》






「べつに、どうもしないよ。

あたしはこういう人間なの。


ユウジに嫌われたくなくて、猫かぶってただけ。


でももういーや。

なんかもう、どーでもいい。


じゃーね、ユウジ。

もう二度と会わないだろうけど」







一方的に言い切って、あたしは通話を切った。





そして、ぽいっとスマホを放り投げる。




分かってたけど、ユウジが電話をかけ直してくることはなかった。





すっきりした、とでも思ってんのかな?




てゆーか、もう、新しい彼女といちゃいちゃしてんのかもね。






どーでもいいけど。






ふふっ、と笑いがこみ上げてきた。