勝手に百人一首

ーーーーーこわい。



どうしよう………。





ごくり、と喉が鳴った。




そのとき。






「………俺が見ててやるから」






佐藤が、突然、あたしの手を握って、囁くようにそう言った。





初対面の男にいきなり手を握られたんだけど、不思議と嫌な感じはしなかった。




それは、その触れ方が、とても優しかったからかもしれない。






にっと笑った佐藤の目も、やわらかく細められていて、すごく優しかった。







「…………うん。かけてみる」







あたしは頷いて、ユウジの番号をタップした。






もしかしたら、ユウジは出てくれないかもしれない、って思ったけど。






《………もしもし、楓?》






久しぶりのユウジの声だった。