勝手に百人一首

あたしは目の前のウイスキーをつかんで
、瓶ごとぐびぐびとあおった。






「おっ、いい飲みっぷりじゃねえか!」






佐藤が嬉しそうにからから笑う。



その顔が赤くなっているところを見ると、だいぶ酔っ払ってきたらしい。






「あっ、そーだ!」






佐藤が唐突に、何かを思いついたように手を打った。





何事かと目を向けると、佐藤はあたしのスマホを指差している。






「………なに?」





「今から電話しちゃえよ!」





「はっ!?」






驚愕するあたしを尻目に、佐藤は勝手にスマホを手に取り、あたしに押し付けてきた。






「ちゃんと話しあって、言いたいこと言ってねえから、そんなに未練たらたらなんだよ。


今から電話して直接はなせばいいじゃん。


別れ話メールで済ますなんて、ろくなもんじゃねえ」