……。
「ちょっと。どこへ行くの?」
足を引きずりながら、圭介は駆け足で廊下を走り抜ける。
真姫も後を追う。
「とりあえず、大学から早く逃げなければならない」
「逃げる? なぜ? 理由を話して。それよりこっちは、玄関とは逆方向よ」
真姫は走りながら聞き返す。
「玄関はまずい。登校してくる福山に遭遇する可能性がある。見つかったらまずい」
「福山くんに? ……どういうこと?」
「とりあえず、脱出に成功してからだ。職員用通用門から外に出れば、すぐに駐車場だ。そこに俺の車がある」
通常、学生は車での通学は禁止されているが。
圭介は足のケガもあり、特別に車での登下校が許可されていたのだった。
「うわっ」
校舎を出て、中庭を通過して駐車場へと向かっていたその時。
圭介は足が絡まり、転倒してしまった。
「大丈夫!?」
以前のような感じで走ろうと思っても、体が付いてこないのだ。
手にしていた書類は、袋から外に飛び出してしまった。
「悪化させたらどうするの」
心配そうな声を出して、真姫は散らばった書類を拾い集めようとした時。
「え……。何これ?」
その中に写真を見つけた真姫はぎょっとした。
そこには福山の写真が。
「盗……撮?」
明らかな隠し撮りだった。
「ちょっと。どこへ行くの?」
足を引きずりながら、圭介は駆け足で廊下を走り抜ける。
真姫も後を追う。
「とりあえず、大学から早く逃げなければならない」
「逃げる? なぜ? 理由を話して。それよりこっちは、玄関とは逆方向よ」
真姫は走りながら聞き返す。
「玄関はまずい。登校してくる福山に遭遇する可能性がある。見つかったらまずい」
「福山くんに? ……どういうこと?」
「とりあえず、脱出に成功してからだ。職員用通用門から外に出れば、すぐに駐車場だ。そこに俺の車がある」
通常、学生は車での通学は禁止されているが。
圭介は足のケガもあり、特別に車での登下校が許可されていたのだった。
「うわっ」
校舎を出て、中庭を通過して駐車場へと向かっていたその時。
圭介は足が絡まり、転倒してしまった。
「大丈夫!?」
以前のような感じで走ろうと思っても、体が付いてこないのだ。
手にしていた書類は、袋から外に飛び出してしまった。
「悪化させたらどうするの」
心配そうな声を出して、真姫は散らばった書類を拾い集めようとした時。
「え……。何これ?」
その中に写真を見つけた真姫はぎょっとした。
そこには福山の写真が。
「盗……撮?」
明らかな隠し撮りだった。



