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 ガタン!


 「美月姫、待って!」


 友人の制止も振り切り美月姫は試験終了後、筆記用具を片付け終わるとすぐに会場から飛び出していった。


 すでに外は真っ暗。


 年が明けて、センター試験初日。


 文系三科目の試験が実施された。


 社会、国語を無事に終了し、この日の最終科目の外国語。


 英語を選択した美月姫は、筆記試験は無事に終えたのだが。


 最後のリスニング試験で、致命的な失敗を犯してしまった。


 最初の質問をはっきり聞き取れず、パニックに陥っている間に次から次に質問が流れていった。


 出だしでつまずいてしまい、気持ちの切り替えができないまま次の設問も分からなくなる……の繰り返し。


 連鎖反応で頭は真っ白。


 最後は仕方ないので、勘でマークシートを埋めるしかなかった。


 翌日の理科と数学の試験終了後、改めて自己採点。


 「だめだ……」


 帰宅後、美月姫は頭を抱えた。


 自己採点の結果は、過去最悪。


 本番によもやのミスを犯してしまい、これまで頑張ってきたことを発揮できない結果になってしまった。


 東大の合格圏内を下回り、「危険水域」の点数だった。