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 お盆が過ぎるとすぐに、北海道の短い夏休みは終わる。


 夏休みが終わる頃には、昼間の暑さもそれまでほどではなくなっていく。


 始業式が終わるとすぐ、礼拝堂でのミサ。


 正教会を母体とする学園ゆえのスケジュール。


 ミサが終わると、ようやく教室に戻ることができる。


 ホームルームで夏休み中の総括と、今後の予定の確認。


 圭介も三年一組の全員を見渡しながらこれからの抱負を述べた。


 夏休み中の模擬試験の結果を配布し終わった後、久しぶりの席替え。


 全員にくじを引かせて、新たな席順を決めた。


 ようやく美月姫と清水優雅の席が離れ離れになったのを確認し、圭介は内心ほっとしたのだった。


 ……。


 「先生、すみません」


 「どうした、大村」


 この日は昼前に終了。


 ホームルームを終えて職員室に戻っていた圭介の元を、美月姫が訪ねてきた。


 「今日は掃除当番だったんですが、ホワイトボード用のマーカーのインクが切れているので、代わりのものをもらいにきました」


 「ああ、忘れてた」


 新たなマーカーを補充するのを、圭介はすっかり忘れていた。