「……真姫?」
急に黙り込んだ真姫を、麻美は怪しんだ。
「やっぱりあんた……」
「おはよう、真姫」
背後からかけられた声に、真姫は驚いた。
「福山……くん」
隣の麻美も、驚いて見上げている。
「隣、空いてる?」
真姫は言葉を発することができず、ただ頷いて反応した。
すると福山はそっと隣に座った。
「この前の夜、楽しかったよ」
周囲が聞き耳を立てている中、誤解を招くような発言を……。
真姫は恥ずかしくて、うつむきがちに対応した。
「一度、夜の函館山ロープウェーに乗ってみたいんだよね」
周囲の監視網を気にすることなく、福山は真姫に誘いをかける。
「真姫の予定は?」
いつの間にか福山は、「真姫」と呼ぶようになっていた。
「真姫」と真姫を呼ぶのは、今のところ女友達だけで。
男子は皆、名字の「花里」と呼んでいたにもかかわらず。
当然周囲の者は、二人の関係を疑い、確信した。
二人の会話を斜め後ろの席で聞いていた圭介は、握っていたシャープペンシルの芯をバキッと折った。
急に黙り込んだ真姫を、麻美は怪しんだ。
「やっぱりあんた……」
「おはよう、真姫」
背後からかけられた声に、真姫は驚いた。
「福山……くん」
隣の麻美も、驚いて見上げている。
「隣、空いてる?」
真姫は言葉を発することができず、ただ頷いて反応した。
すると福山はそっと隣に座った。
「この前の夜、楽しかったよ」
周囲が聞き耳を立てている中、誤解を招くような発言を……。
真姫は恥ずかしくて、うつむきがちに対応した。
「一度、夜の函館山ロープウェーに乗ってみたいんだよね」
周囲の監視網を気にすることなく、福山は真姫に誘いをかける。
「真姫の予定は?」
いつの間にか福山は、「真姫」と呼ぶようになっていた。
「真姫」と真姫を呼ぶのは、今のところ女友達だけで。
男子は皆、名字の「花里」と呼んでいたにもかかわらず。
当然周囲の者は、二人の関係を疑い、確信した。
二人の会話を斜め後ろの席で聞いていた圭介は、握っていたシャープペンシルの芯をバキッと折った。