「花里さん。かなり酔っているようだね。顔、真っ赤だよ。早く部屋に戻りなさい」
真姫は自室へと戻った。
ここまでどうやって帰って来たのか、記憶がない。
函館駅近辺の居酒屋から、五稜郭に程近いこの寮までは、二キロくらいの道のり。
未だにめまいがしているこの状態で、二キロ近くも歩いてきたとは思えない。
(福山くんが、タクシーに乗せてくれたのかな)
それしか考えられなかった。
次に会った時にでも、タクシー代を支払おうと思ったのだけど。
「……」
また思い出す、重なった唇の感触。
それだけで耳までも赤くなる。
次に会う日、恥ずかしくて目を合わせられなさそうだった。
だけど。
それが現実なのかどうかさえ、定かではない。
もしかしたら夢なのかもしれない。
だとしたらリアルすぎる夢。
(ほんとに……どうしよう。次会った時目を合わせられない)
その夜、なかなか眠られなかった。
重なった唇の感覚が、鮮やかに記憶に残っていて……。
真姫は自室へと戻った。
ここまでどうやって帰って来たのか、記憶がない。
函館駅近辺の居酒屋から、五稜郭に程近いこの寮までは、二キロくらいの道のり。
未だにめまいがしているこの状態で、二キロ近くも歩いてきたとは思えない。
(福山くんが、タクシーに乗せてくれたのかな)
それしか考えられなかった。
次に会った時にでも、タクシー代を支払おうと思ったのだけど。
「……」
また思い出す、重なった唇の感触。
それだけで耳までも赤くなる。
次に会う日、恥ずかしくて目を合わせられなさそうだった。
だけど。
それが現実なのかどうかさえ、定かではない。
もしかしたら夢なのかもしれない。
だとしたらリアルすぎる夢。
(ほんとに……どうしよう。次会った時目を合わせられない)
その夜、なかなか眠られなかった。
重なった唇の感覚が、鮮やかに記憶に残っていて……。