少しした後。 沖田が千秋の背中に話しかけてきた。 「千秋さん、もう寝ましたか?」 「いえ、起きてますよ」 沖田は囲炉裏で煌(きらめ)く炎をぼーっと見ながら質問してきた。 「千秋さんは、京の町へ行きたいですか?」 「へ?」 ………そりゃあ、屯所の中で明日もずっといるよりも、外に出てみたいと思う。 なんせ現代にいては見られない幕末時代の京の町並みを見たいと思う。 「行きたいです」 「そうですか」 ………なんなんだ、質問したのに、答えのない”そうですか”っていう返しは。