「今ですか?今は…たしか慶応元年ですよ」


「西暦でいうと!?」

千秋は男の手をギュッと握り、食い入るようにして聞く。



「西暦ですか。西暦だと…1864年ですね。」




(やっぱり……!!)

千秋は川の中にいるにもかかわらず
この状況をたくさん考える。


そんな千秋にしびれを切らしたのか、男はおもむろにたった。


「話はあとにしましょう。ここでは人の目も気になりますし、
聞きたいことがちょっとあるので、屯所までついてきてください。」


再度男に腕を引かれる。


「え?どこへいくんですか!」


と、屯所!?


――――この状況を考えると、

屯所に連れて行かれる理由はひとつ。


1.この時代には理解できない服装(スウェットと髪型)
2.川の中にいた


…………不審者だよねこれどう見てもあたし!!!


(屯所って今でゆう交番みたいなところだから…)



千秋は顔を真っ青にする。



そんな千秋を見て、男はほほえんだ。



「別にとって食うわけじゃないですから、安心してください」

ニコっと、完璧に何か裏があるような、作り笑顔の笑みを見せる。




(この人の笑みを見ると、なんだか超不安になるけど、いま行くあてもないし……)



……この人に、ついていこう



そう決め、千秋は男の従うまま、




歩いて行った。