すっかり日が暮れ、


日が落ち、紫前町が暗闇に包まれた頃



千秋と土方は屯所に帰ってきた。


「千秋さん!!!!!!」


近藤は、千秋と土方が屯所の門をくぐるやいなや、
走りかけてきた。

近藤の奥には沖田の姿もあった。
沖田は千秋の顔を見ると、少しだけ安心したような顔をした。



「どこに行ってたんだ!!
昼にいなくなって……夜になっても帰ってこないかと思って心配したぞ…!!」


近藤は今にも泣きそうな顔でこちらを見てきた。
本気で心配してくれてるのが近藤の全身から伝わってくるのを感じ、…千秋はとても切なくなった。


「心配をかけてしまってごめんなさい…。
皆さんの昼食に卵焼きを作ろうと卵屋に出かけたら、迷ってしまって……。」


「それで、千秋がからまれているのを俺が助けたんだよ」


土方が近藤の前にスッと出る。


「歳三!!
お前も心配したんだからな!
昼頃にお前の隊員が戻ってきたのに肝心の歳三がいなかったから、何かあったのかと思ったぞ」


近藤より背の高い土方の頭を、近藤は背伸びして土方の頭を撫でる。

(なんだかこうしてると、近藤さんと土方さんが親子のように見えてくるなあ。)

近藤と土方の信頼し合っている空気になんだか微笑ましい気持ちになって千秋は無意識に笑みをこぼす。