「おいしいいいいい……」 千秋は店の近くに置いてあった木で作られた小さなベンチのようなものに座った。 文字通りほっぺたが落ちそうなくらい幸せそうな顔をして、 三色団子と桜餅を疾風のごとく、食べ終えた。 そして、はやばやと立ち去ろうとしたそのとき。 「そこの坊主、おめえ、桜餅の代金支払ってねえだろ」 団子屋の店員らしき男性が千秋の方をつかんだ。 「え、俺ちゃんと払いました!!」