「谷宮君、今日は寝ないんだね。」


「読んじゃダメかよ?」

そんなつもりで言ったんじゃなかったのに。

「ご…ごめん。責めたつもりはねぇんだ。」


私が困った顔でもしていたのか、謝ってきた。


しかも焦ってるし。


「…ふふ。」


「なんで笑ってるんだよ。
 人がせっかく謝ってるのに。」


そ、そりゃあだってねー、

「雰囲気によらず優しいんだなー、っ て思っただけだよ♪」


クラスで恐れられている人が、焦って謝るなんてレアとしか言えない。


当の谷宮君は、少しふくれていたが、まんざらでもなさそうだ。









…なんでこの人のことを知ってこんなに嬉しいんだろう?