「いつも10分切れないって騒いでたもんね。 非公式なのは勿体ないけど、それは来月の大会で記録をちゃんと作ればオッケーだし、良かったね!」 陸上部の女子部長である安川先輩が笑って褒めてくれた。 「ありがとう……ございますっ!」 辛かったけど、頑張って良かったと思えた。 さやかからタオルと給水ボトルをもらって、汗拭いて、スポーツドリンクを飲んで 「生き返るーー」 と言いながら荷物を置きに行くためにスタンド席に向かっていると 「よく頑張ったな」 と桐島が話しかけてくれた。