私は急いで長州藩邸の方に目を向ける。
そこはもう火が燃え盛っていて、とにかくここから離れることを私の本能がそうさせた。
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俺が屯所を出てからすぐに長州藩邸の方から火の手が上がった。
「…まさか、ね…。」
急いでそちらの方に向かう。
すると、向かい側から誰かが走ってきた。
「あれは…美奈?」
向こうも俺に気が付いたらしい。
全速力でこちらに向かってきた。
俺の胸に飛び込む美奈。
心なしか体が震ええいる。
「美奈、なんで外に出た!?」
俺の胸に顔を埋め動かない美奈。
「ごめんなさい…。」
小さく謝罪の言葉が聞こえてきたので、頭を撫でる。
本当は怒りたくなかったけれど、美奈がいなくなったらなんて思うと見つけた時に怒らずにはいられなくて、つい大きい声を出してしまった。
「大きい声出して…ごめん。」
彼女ははっとして、長州藩邸の方を指さす。
「平助君、火を消さないと…京の街がほとんどなくなっちゃう…。」
俺もその言葉にはっとなって、美奈の手をひき長州藩邸の方に走り出した。


