それから数日後、会津から知らせがあった。
禁門の変の前日の朝のことである。
「明日、長州が京で戦を起こすような素振りを見せているのがわかった。」
「なんだって!?」
土方さんの言葉にいち早く反応した永倉さん。
幹部しかいない小さな部屋で会議が行われていた時だった。
周りの幹部たちも眉間に深い皺を作り、身を乗り出して土方さんの次の言葉を待っている。
「明日、新選組は会津藩と一緒にへ出陣することになった。
昼には出発だ。」
もう日の光が入って部屋が明るくなってもいいころなのに、この部屋だけ暗く、夜のような静けさがある。
「それで、土方さん、人員は?」
山南さんも一時は身を乗り出したが、今はいつものように平然と構えている。
「今回は、山南さんに屯所を任せる。
たぶん大きな戦だ。
腕の立つ人間が屯所を守っててくれないと、何かあった時に困るからな。
平助と、安藤、新田は療養だ。」
「ちぇっ。
俺は屯所待機かぁ。」
少し、拗ねたような感じの平助君。
「平助、おめぇはまだ駄目だ。
傷が開いちゃあ、いざって時に困るからな。」
がはははと笑う原田さんに平助君がたしなめられている。
いつもは逆なのに…。
「そうだよ、平助君。」
私も、原田さんに同調する。


