「…で、どうして、ここにいる」

昼休み。

いつの如く、選曲に忙しい純一の横で、俺はアル・クーパーのCDを指で挟んで、回していた。


「冷たいなあ〜。一応、幽霊でも、部員だぜ」

俺の言葉に、純一は鼻を鳴らした。

「そういうことは、部員らしいことをしてからに言ってほしいな

「だから…」

俺はCDを、純一の前に差し出した。

「これ、かけてよ」

純一は、アル・クーパーのCDを見て、ため息をつき、

「好きだな」

俺からCDを受け取った。

「だから言っただろ?この曲を歌うんだと、その為に憶えなくちゃならないだよ」

「それは…わかったが」

純一はCDをセットしながら、

「家で聴けよな」

文句を言った。