「実は、友人に遊園地の券をもらったんだ。 できれば…その、神崎さんと行きたいなって思って」


顔を真っ赤にして恥ずかしそうに頭をかく多川さん。


デ、デート…。
私もつられて顔が真っ赤になる。


「い、嫌ならいいんだ! 遊園地なんて子供っぽくて嫌だよね?」


「そ、そんな事ないです! 今でも家族と行ったりしますから!」


「家族と?」


多川さんは目をパチクリさせて私を見た。
この年で家族と遊園地行くのは私だけなのか?と思ってしまった。


「えっと、隣の家の男の子が中学はいったばかりで! その子も交えて一緒に行くんです」


な、なんか言いわけくさい?


「そうなんだ。 弟みたいなもんなんだね」


弟みたい…なのかな。
そう、だよね。


「実は、4枚あるんだ。 もしよかったら、その子も一緒に…」


「へ? いいんですか?」


知らない子なのに?
私は首を傾げた。


「神崎さんの弟さんみたいな存在の子だったら、仲良くしてみたいから」


…う。
これって。


この台詞って。


「俺…神崎さんの事が好きなんだ」


…………


…えええええ!!


ま、まじで?