『好き』と鳴くから首輪をちょうだいのレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 5.0
★★★★★
2015/05/30 23:22
投稿者: ひらび久美 さん
切なくて美しくて

クリスマスに恋人と住むところを失った(奪われた)主人公・白路。まさに不幸のどん底状態でリアカーを引いていた彼女は、おだしのいい匂いに誘われ、小料理屋の主人・眞人に「何か食べさせてください!」とすがります。それが縁で、もう一人の同居人、梅之介と三人での不思議な同居生活が始まります。 手負いの犬のように白路に(言葉で)噛みついてくる梅之介。けれど、やはり彼にも、そして眞人にも痛々しい過去があります。 一言で伝えきれる内容ではありませんが、その過去を乗り越える過程が切なくも美しい文で綴られています。涙なしでは読めませんが、最後はすとんと胸に落ちる、そんなお話です。 そこここにおいしそうな料理が丁寧に描写されていて、口の中に味が広がります。お腹が空く覚悟が必要かも!?

クリスマスに恋人と住むところを失った(奪われた)主人公・白路。まさに不幸のどん底状態でリアカーを引いていた彼女は、おだしのいい匂いに誘われ、小料理屋の主人・眞人に「何か食べさせてください!」とすがります。それが縁で、もう一人の同居人、梅之介と三人での不思議な同居生活が始まります。

手負いの犬のように白路に(言葉で)噛みついてくる梅之介。けれど、やはり彼にも、そして眞人にも痛々しい過去があります。

一言で伝えきれる内容ではありませんが、その過去を乗り越える過程が切なくも美しい文で綴られています。涙なしでは読めませんが、最後はすとんと胸に落ちる、そんなお話です。

そこここにおいしそうな料理が丁寧に描写されていて、口の中に味が広がります。お腹が空く覚悟が必要かも!?

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★★★★★
2015/05/20 21:42
投稿者: はづきこおり さん
絶品!!

クリスマスの夜、恋人に裏切られ寒空の下に放り出された白路は、とある小料理屋に辿り着き―― タイトルが秀逸なので若干ハードなお話なのかしら…と少しドキドキしながら読み始めたら、あったかくて優しくて、この上なく愛しい物語でした! 美しい文章とどうなるの?な展開で気が付けば一気読み。 悪役が素敵に突き抜けているのでその分主人公はつらい境遇に立たされますが、季節に絡めた美味しそうなお料理と主人公の明るくまっすぐな人柄で、作品全体がとても温かい。 小料理屋で出会うふたりの男性がまた魅力的! 女嫌いで口の悪い梅之介の辛辣さと、小料理屋主人である眞人の甘さのバランス。 テンポのいい会話も楽しく、漂う和の雰囲気も物語を一層素敵にしていると思いました。 登場人物たちの息遣いを感じられそうな物語。 冷たい雪空から柔らかな桜空へと至る彼らの軌跡を、是非体感して頂きたいです。

クリスマスの夜、恋人に裏切られ寒空の下に放り出された白路は、とある小料理屋に辿り着き――

タイトルが秀逸なので若干ハードなお話なのかしら…と少しドキドキしながら読み始めたら、あったかくて優しくて、この上なく愛しい物語でした!

美しい文章とどうなるの?な展開で気が付けば一気読み。
悪役が素敵に突き抜けているのでその分主人公はつらい境遇に立たされますが、季節に絡めた美味しそうなお料理と主人公の明るくまっすぐな人柄で、作品全体がとても温かい。

小料理屋で出会うふたりの男性がまた魅力的!
女嫌いで口の悪い梅之介の辛辣さと、小料理屋主人である眞人の甘さのバランス。
テンポのいい会話も楽しく、漂う和の雰囲気も物語を一層素敵にしていると思いました。

登場人物たちの息遣いを感じられそうな物語。

冷たい雪空から柔らかな桜空へと至る彼らの軌跡を、是非体感して頂きたいです。

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★★★★★
2015/05/03 20:47
投稿者: 蒼山 螢 さん
ネタバレ
胸いっぱいの一皿

失恋して絶望の雪に濡れ途方にくれるあたしは、拾われた。
少し影があって、優しくて素敵な料理人に。そこには先客の男の子も居て……?

白路と梅之介を拾った眞人との、3人の奇妙な同居。

クソ女もクソ男も出てきて何度も「キィーー!」となりながら読みました。
白路の想いが真っ直ぐで一途で、アフロを撫でてあげたくなる。
ああどうか、どうか幸せになって欲しいと祈らずにはいられませんでした。
お料理の描写にやられました。読みながら涎が出てくるのです。

本当に、涙が止まらないラスト。
わたしも、白路みたいにちゃんと愛したい。置いていかない、ひとりにしないと言いたい。
そんな風に胸にじんわりと染み渡る作品でした。

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★★★★★
2015/04/18 22:50
投稿者: 砂川雨路 さん
ネタバレ
再生

突然恋人も住むところも失った白路。街をさまよう白路を温めてくれたのは、小料理屋四宮の主人・眞人でした。
そこから始まる主人と飼い犬という立場の不思議な同居生活は、もう一人の“飼い犬"梅之介とともに、穏やかに過ぎていきます。
やがて明らかになっていくそれぞれの過去の傷。三人が各々痛みを乗り越え、一歩進む時、この居心地のいい関係は崩れることに……。

冒頭がすでに別れのシーンで、この切なすぎる別れにどう繋がっていくのだろうと引き込まれます。三人の過ごした小料理屋四宮は、居場所を失ったことのある彼らの避難場所であり、力をなくした心を守る巣のような場所だったのかもしれません。三人の互いを想う気持ちが純粋で、青春時代のひと時を見たように胸が熱くなりました。
また、描かれる温かで繊細な料理の数々も、素晴らしいエッセンスだったと思います。
羽を寄せ合った鳥たちの再生の物語。絶品でした!

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