跪くような姿勢を取った俺に、先輩は驚いていた。



「足首、ですか?」


「えっ...あ、うん。左...」


「じゃあ、靴下下ろしてください」



俺が言うと、彼女は躊躇いがちに靴下を脱ぎ、そっと左足を出した。


...少し腫れてる。


捻挫は氷水とかで冷やすのがいちばん良いんだけど、歩くしな。



少し考えて、立ち上がってとりあえず怜湿布を勝手に持ち出す。先生の許可なしにだとかは、まあいい。いや、良くはないけど、俺は気にしない。


そして再びそれを持って、先輩の前に座る。

躊躇いがちに、その足首に触れた。


ペタリ、と患部にそれを貼り付ける。独特の匂いが鼻腔を突いた。



「...あの、テーピングはしないで湿布貼りましたけど、歩けそうですか?」


「うん、なんとか。さっき立てなかったのは体勢が悪かっただけだと思うし!大丈夫。これは本当だから。ありがとう」