歌が運ぶ二人の恋

「こらこら、ここでは下の名前で呼ぶなって言ってるだろ?」

「分かってるよ、いつもの癖で出たんだよ」

二人が何の話をしているのか気になるけど。

「店長さん、あの二人はどんな方々なんですか?」

「あの二人かぃ?まぁ、はっきりとは言えないけど、おばさんの知り合いの男の子」

「店長……、それ答えになってません」

ちらっと、二人の方を見ると、金髪の男の人が手を上げて呼んでるのが見えた。

「ほら、呼んでるよ」

「は、はい」

メモ帳をエプロンのポケットからだして、二人にオーダーを聞く。

「お決まりになりましたか?」

私がそう聞くと、今度は翡翠色の髪の男の子が、私に言ってきた。

「決まったから呼んだんだろ、あんた馬鹿じゃねーの?」

な、何この人……。