歌が運ぶ二人の恋

「また、悪い癖が出ましたか。うちの妹そっくりで本当に困りますよ」

「なら、正宗連れて行けば?」

「あ、阿修羅!?」

俺の後ろに、さっきまで寝ていたはずの阿修羅がそう呟く。

「えっ!それは困るよしゅっち。俺が覚えられないっすよ!」

「俺が覚えてるから、……大丈夫」

「ならいいな、よし行くぞ正宗!」

「ちょっ、えっ?!」

涼介に手首を掴まれ、俺たちはスタジオから出る。

そして、そのままの服装で涼介の車に乗り込んだ。

「り、涼介。会ってどうすんだよ?!」

「謝る」

「そ、それだけで俺を連れて行くのか?」

「他にもあるけど、正宗は“かなめ”に会いたいだろ?」

そう言われ、頬が熱くなるのが感じた。

なんで、この人は俺が思っていること分かるんだろ?