歌が運ぶ二人の恋

ポケットからスマホを出した涼介さんは、スマホを眺める。

「それで、会えなくなったって言ったら、口喧嘩が始まり最後大嫌いと言われて、完全に嫌われたんだ」

「それは、りょっちが悪いっす!姫との約束を破るから」

「それは同感だけど、姫ってなんだよ?」

「え?だってあの人、将来りょっちと結婚するんでしょ?」

「だから姫なのか?」

「駄目っすか?」

何か、悪いこと聞いた気になってきた。

「僕は結婚したいって思ってる。僕はあいつ以外好きになれないから」

真剣な表情で言うその言葉に、俺は内心ホッとしていた。

「なら、今から電話すればいいっすよ」

「それが、何度もかけてるんだけど、出ないんだよね……」

「それで、嫌われたと思ったわけか」

「はぁ……。前は普通に学校に行って直接謝っていたけど、今そんなことできないからな」

この時期COSMOSは、何かと忙しくてオフの日なんてほとんどない。

だから、涼介も中々学校に顔をだすことができないんだ。

「なら、会いに行くのはどうっすか?」

「えっ?!」

「えっ?!

おいおい、それってまさかーー