「おはよう、至流婆・正宗」

「ちっす!りょっち。今日どうしたんすか?」

「うん、ちょっとね……」

もしかして、あの人と何かあったのかな?

「あの人と何かあったのか?」

「うっ!」

俺の言葉に涼介の肩があがる。

「な、何のことかな正宗」

涼介、顔引きつってるけど。

「涼介に何かあったと言ったら、大体はあの人のことじゃん」

と、俺が言い終わる前に、涼介はスタジオの隅で座り込んでしまった。

「って!まさかの図星っすかりょっち!」

「これは、また酷い落ち込みようだな」

「何があったんすかりょっち!?」

至流婆が涼介の所へと駆け寄る。

「俺、完全に嫌われたかもしれない」

「嫌われたって“姫”にっすか?」

至流婆の言葉が更に涼介へと突き刺さる。

「昨日の夜会う予定だったけど、急にマネージャーが明日の打ち合わせしたいって言って、すぐ終わるからって言ったけど」

「結局終わらなかったんすね」

涼介さんは頷いた。

あのマネージャーの話って、意外と長いからな。