「きっと、私のこと何とも思ってないんだよ」

「先輩……」

先輩の目には涙が溜まっていて、そのひと雫が頬を伝った。

「そ、そんな事ありませんよ!」

先輩が泣いているところなんて見たくない。

私が、先輩を元気づけなくちゃ!

「蘭ちゃん?」

「先輩がその人の事凄く好きなら、その人だって先輩のこと大好きなはずです」

先輩は私の言葉を聞いて、微笑んでくれた。

「だから、先輩は泣かないでください。もしその人が先輩を泣かせる人なら、私がぶっ飛ばしますから」

そう意気込んでいると、先輩は笑った。

「ありがと、蘭ちゃん」

笑ってくれた。

私の魅力は笑顔って言っていたけど、先輩の魅力も笑顔の感じがする。

「ねぇ、これからご飯食べに行かない?」

「え?良いんですか?」

「うん、お礼として私のおごり」

「わ、悪いですよ!それに私も先輩に」

「私がおごるんだから、良いでしょ?」

先輩は私の手を掴むと、スタスタと歩き出した。

「では、お言葉に甘えて」

「それでよろしい」

私たちは顔を見合わせて笑った。