歌が運ぶ二人の恋

「え、えっとですね」

「良かったら、話し聞くよ?」

「は、はい」

やっぱり、かなめ先輩は優しくて憧れの存在だ。

場所を中庭へと移動して、ベンチに座った私は、ぽつりぽつりと話しだした。

「私、迷っているんことがあるんです」

「迷っていること?」

「はい、実は里音にオーディションを受けようって誘われたんです」

「オーディションって?」

「COSMOSの妹グループメンバーを決めるオーディションなんですけど」

「COSMOS?!」

『COSMOS』と聞いた時、かなめ先輩は目を見開いた。

「先輩?」

「ううん、何でもないよ。続けて」

「は、はい。私は無理だって里音に言ったんですけど、里音は私にしか無い魅力があるって言うんです」

「魅力かぁ、確かにあると思うなぁ」

「え?!先輩も分かるんですか?」

「もちろんだよ」

「教えてください、私の魅力って何ですか?」