歌が運ぶ二人の恋

「もしかして、里音は受けるの?」

「もちろん」

「何で?!」

「何でって、COSMOSを越えたいから」

「こ、越えるって?」

「COSMOSの人気をよ」

でたよ里音の悪い癖。

人気や一番の人を越えたがる意志が。

「蘭、受けようよ一緒にさ」

「い、嫌だ。てか、無理だから!」

里音みたいに美人で歌が上手くて、勉強ができる私ならいいけど、私はそんなんじゃないから絶対無理だ。

「蘭には、蘭にしかない魅力があるじゃん」

「えっ?」

私にしか無い魅力?

そんなの私には無いよ。

「無理にとは言わないけど、考えてみてよ」

「……」

考えてみてよなんて、もう答え決まってるじゃん。

世間知らずの私が、あの世界に飛び込むのは無理が有りすぎる。